埼玉県ブランド繭「いろどり」で顔の見えるきものつくり

 

国産繭はもう1パーセントしか流通していないこと、ご存知でしたか? 

国内の製糸工場も2つしかありません。

かつて日本の近代化を支えた養蚕・製糸はいま私たちの暮らしから静かに消えようとしています。

 

海外で作られた生糸、白生地でも日本で加工されれば「日本の絹」というシールがはられるため、消費者には原料が外国繭ということはわからない状態です。

 

いつのまにか国内の養蚕農家は絶滅寸前、かつては500万軒あった養蚕農家は全国で393軒。埼玉県では31軒になってしまいました。それでも全国3位の養蚕県なのです。 (平成26年度シルクレポート)  

 

秩父地方では14軒の養蚕農家が秩父の風土、暮らしのなかの養蚕を残したいと頑張っています。有名な秩父夜祭も生糸の取引の市としても発展してきたものです。 養蚕があることで秩父の里山の景観が残り、暮らしと文化が残る。

 

桑の葉は農薬をつかえません。蚕は農薬のついた葉を食べると死んでしまうからです。桑の葉はお茶、桑の実はジャムなど、農産物としての価値もあります。 養蚕は循環型農業の先端でもあります。

 

国内養蚕ー国産生糸ー。わたしたちのこの時代になくしていいものでしょうか?

産業としては無理でも、なんらかの方法はないものでしょうか。

 

昨年から中国の生糸事情が変化してきています。悪天候により繭の生産が減り、中国産の生糸が高騰しています。また、小ロット、多種類、検品が厳しく手間のかかる日本向けの生糸は、豊かになりつつある中国から面倒がられる傾向にあるようです。いままでの様に中国から安価な生糸が輸入できる時代は終焉を迎えるでしょう。 時代の転換期が来ています。

 

わたしたちは国産繭の現状を多くの人にしってもらいたいと思います。

 

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